子どもにとっての最高のおもちゃとは、おもちゃではない3つの「〇〇」!!

2020年10月18日

このゆび保育の著名人コラムです。
今回は「認定NPO法人芸術と遊び創造協会 理事長・東京おもちゃ美術館の館長 多田千尋さん」「NPO法人こども発達実践協議会 代表理事・現役認可保育園園長 河合清美さん」のお2人。
「おもちゃと保育」をテーマに対談をした様子をお届けします。

保育者にとってのおもちゃって何だろう?

皆さん、おもちゃといえば何を思い浮かべますか?

保育園や家庭には、様々な種類のおもちゃが数多くあると思います。


特に保育士は、学校でおもちゃのことをあまり習わないですが、保育現場では様々なおもちゃを使って保育をしていきますね。また、保護者の方であれば、楽しさや学びのありそうなものを選ばれることもありますね。おもちゃはあまりにも身近にあるので、改めて「おもちゃってなんだろう?」と考えることは多くないかもしれません。


みなさんにとっておもちゃって何でしょうか?

保護者や保育者から多い「おもちゃ」の質問

では、おもちゃの専門家多田さんや、保育の専門家清美さんのところには「おもちゃ」に関してどんな質問が来るのでしょうか?

私のところには「自由保育とおもちゃ」というテーマで相談や質問がよく来ますね。園に見学に来られる保育士から「清美さんの園は自由保育なのですか?」と聞かれて、「なぜ、そのようなことを聞かれるのですか?」と聞くと、こう答えられます。

「いろいろな園に見学に行くのですが、自由保育をアピールしている保育園の多くで、おもちゃが床一面に散らばっていたのです。自由といえば自由だと思うのですが、何か違和感があって・・・」

このお答えに私も思うところがありました。おもちゃがたくさんあって、自由に遊んでいる姿は微笑ましいのですが、おもちゃが床一面に転がっているならば、そのおもちゃ達は役割を果たしているのだろうかと思うのです。

なるほど。その方の違和感に、私も同感です。

バイキングで例えると、たくさんお皿に持ったのに、一口も食べなかったり、十分に味わえていなかったり、、食べ散らかっている光景が浮かびます。


実は私のところにはママパパから「どんなおもちゃを買ったらいいでしょうか?」と質問が来ることが多いです。

話を聞いていくと、そういう質問をされる方の多くが、"たくさんのおもちゃを子どもに買い与えなければ"と思っていたり、"高価なおもちゃこそ優れている"という考えをお持ちだったりするんですね。


私が言うのも意外かもしれませんが、一概にそうではないと思っています。

そうなんですね。それは意外ですが、そのお気持ちはわかる気がします。

でも、多田さんとしてはオススメのおもちゃはありますよね・・?

それこそ木のおもちゃは、良質なおもちゃだと思います。

最高のおもちゃは、ママパパ・保育者も持っている3つのもの

もちろん、オススメのおもちゃはたくさんあります!!

けれど、私はどんなおもちゃよりも、最高のおもちゃがあると思っています。

私はそれらを世界最高の“3大グッド・トイ”と呼んでいまして、人の「手・顔・声」だと思っています。

わぁ!なるほど! それはとても納得ですね〜!! 

もう少し詳しく聞かせて下さい。

子どもにとっての一番のおもちゃは、ママパパや保育者にもある手と顔と声なんですね。

手を使って子どもと触れ合い遊びをすればスキンシップ・トイです。
顔は、表情の変化で子どもを楽しませられるビジュアル・トイです。
また、いろんな声や言葉掛けはコミュニケーション・トイです。

おもちゃを買う前に、まずはこの3大グッド・トイで思いっきりたくさん遊んでほしいんですね。そうすることで、子どもたちの感性はとても豊かになりますし、大人との関係づくりにもなる。こんなに素晴らしいおもちゃ、世の中に決して売っていないですよ!

もう感動です・・。最高のおもちゃが、実はおもちゃじゃないなんて・・!

私はわらべ歌や言葉遊びが好きで、自分の専門として深めているのです。
わらべ歌を通じて、親子の関係づくりに繋がることに魅力を感じていますが、わらべ歌はまさにコミュニケーション・トイや、スキンシップ・トイですね!

そう!わらべ歌はまさに最高のおもちゃの一つですね。他にも「いないいないばあ」とか、それこそ保育者ならば、たくさんの引き出しをお持ちですよね。

私がママパパや保育者にお伝えしたいのは、3大グッド・トイでとことん遊んでから、良質なおもちゃをまずは一つ使ってみてほしいんですね。また、おもちゃ美術館にときどき来ていただいて、思いっきり遊ぶのもいいと思います。

ありがとうございます!

3大グッド・トイという考え方は、保育者にとっても欠かせないことですね。保育園によっては、予算面でおもちゃを買えないところもありますし、おもちゃの豊富さが着目されることが多いですが、保育者自身がおもちゃになれるということをまずは大切にしたいなと思いました。


今日のお話を聞いて、良質なおもちゃにたくさん触れられるおもちゃ美術館のような存在はとても大事だとますます思いました。ところで、いまおもちゃ美術館が大ピンチだと聞いたのですが・・・

おもちゃ美術館が大ピンチ!

いまとても大きなピンチに直面しております。

おもちゃ美術館は、おもちゃや親子との触れ合いがたっぷりあってこそ成り立つ場所なので、コロナの影響を受けて、入館者が大きく減少しております。実は、おもちゃ美術館は公的な施設ではなく、国や自治体などから一切の補助を受けていない施設です。


なので、入館者の方が来ないと最悪の場合、おもちゃ美術館を閉館せざるを得ません。
また消毒を徹底しているため、木のおもちゃの質感も悪くなってしまい、木の温もりも失われていっています。

それはとても心配ですね。

いまどのような取り組みをされているのですか?

いまはクラウドファンディングを活用して、当面の運営費の寄付をお願いしております。

ありがたいことに既に500人を超える方から寄付を頂きました。

ご支援頂いた方には、いろいろなお返しもご用意しておりますので、おもちゃの魅力を再発見する機会にもなったらと思います。


ぜひご支援をよろしくお願い致します。

※クラウドファンディングへの応援は下の画像から

【イベント予告】清美園長と行くおもちゃ美術館ツアー

ぜひとも支援をさせて下さい。私の身近の保育者仲間にもおもちゃ美術館のファンがたくさんいるので声を掛けますね。

あと、、私は楽しいことがあるとすぐアイディアが思い浮かんじゃうのです。
保育者と一緒におもちゃ美術館に行くツアーをやってみようかなと思うのですが、多田館長どうですかね?

それはもう、ぜひお越し下さい!! まずは保育者がとことんおもちゃで遊んで楽しむことが何よりだと思います。

実は私、おもちゃというテーマで保育者の皆さんにぜひ伝えたいことがあるのです。

しかし、もうお時間も迫っているので、、次回の対談でお話させて下さい。

最後に、少しだけ宣伝をお読み下さい

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

このゆび保育では、保育士に特化した転職サポートを行っています。
転職が多い保育業界では、きっと多くの保育士の方が「今度の保育園こそは、落ち着いて保育できますように・・・」と願っていると思います。

しかし、保育士の転職は、独特の事情(スピード勝負・タイミング命・最後は賭け!)であるため、実は転職の難易度が極めて髙い職業でもあります。

そのため保育に完全特化し、転職活動をする保育士の方が「安心して、転職が楽しみに感じられるサポート」を行っています。

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保育士が「安心して転職できる」を考え抜いたサポートです。
見学・面接に同行。あなたに合う園か?を一緒に考えます。
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