保育士のキャリアパスについて!保育士の役職や必要スキルについて解説

保育士のみなさんは今後のキャリアについて考えたことはありますか?「いつかは主任になって子どもたち全体を見守りたい」「担任保育士として子どもとたくさん関わっていきたい」「園長になって保育士を引っ張っていきたい」など、さまざまな希望があるかと思います。自分が望むキャリアを実現させるためには、保育士のキャリアパスについて知る必要があります。

今回は、保育士のキャリアパスとは何か、また、保育士としての役職や昇進・昇格していく上で必要なスキルについて解説していきます。

保育士のキャリアパスとは

まず、キャリアパスとは「今後どのような職務に就くか、そのためにはどんな経験を積むのかなどの昇進・昇格への道筋」のことをいいます。自分が将来、仕事上でどんなポジションにつきたいのか、そのために何が必要なのかということです。

保育士のキャリアパスの特徴

保育士のキャリアパスにおける大きな特徴は、役職が少なく限られていることです。一般的な保育園での役職は、園長と主任保育士のみというイメージが強くあります。他の職業のように細かいポジションが少ないため、若手保育士や中堅保育士にとってはキャリアアップしにくく感じてしまいがちです。

保育士の組織図

施設ごとに違いはありますが、だいたいこのような組織図になっています。

・園長
 ・主任保育士
  ・乳児リーダー
   ・0歳児クラス担任保育士
   ・1歳児クラス担任保育士
   ・2歳児クラス担任保育士
  ・幼児リーダー
   ・3歳児クラス担任保育士
   ・4歳児クラス担任保育士
   ・5歳児クラス担任保育士

規模の大きい園によっては、副園長や副主任保育士などの補佐的なポジションがあるところもあります。リーダー職に関しては、小規模保育園などでは設けていないところもあるようです。

保育士の役職

保育士の役職にはどんなものがあるか、またその役職につくにはどれくらいの経験年数が必要か、どんな業務を行うかを下記にまとめました。気になる役職をチェックしてみてくださいね。

園長  経験年数10年以上

保育園の園長は、保育園の総責任者として園の運営や経営を担う役職です。その仕事内容は、保育園の運営業務から行政とのやり取り、保護者支援など幅広くさまざまな業務に関わっています。保育施設内のあらゆる調整や保育士の管理や指導責任を担い、保育への深い知識と経験が求められます。

主任保育士  経験年数8年以上

主任保育士は、現場の最高責任者という大切な役職です。特定のクラスを担任せず、園長補佐やクラス担任保育士のサポート、研修プログラムの企画や実施、シフトの管理や新人保育士の指導など、保育園の運営を支える上で重要なさまざまな業務を担っています。

リーダー  経験年数3年以上

クラス運営における業務の責任者です。クラス担任保育士や新任保育士の育成・指導をし、保育の知識や技術の向上を目指します。時には、上位者の職務のサポートを行うこともあります。現場の保育士の中でも特に専門性の高い中堅保育士というイメージです。

クラス担任  経験年数1年以上

保育指導計画の立案や評価を行い、新任保育士の育成や指導をします。専門知識や技術の向上を目指します。

初任者  初任から1年程度

日常の保育業務を行い、職場理念やルール、マナーの理解、保育指導計画への理解を目指します。

政府が制定した処遇改善等加算制度

キャリアアップしにくい現状を打開するために厚生労働省は処遇改善等加算制度(処遇改善Ⅱ)を作り、その仕組みを利用して「副主任保育士」、「専門リーダー」、「職務別リーダー」という新しい役職を追加しました。ここで、それぞれの役職の概要を簡単に紹介します。

・副主任保育士

園長や主任保育士をサポートしながら、若手・中堅保育士の保育の質向上のための指導も行うリーダーシップが求められる役職です。主な就任要件としては、経験年数が7年以上あること、マネジメント研修の他に3つ以上の専門研修を修了していること、副主任保育士の役職が発令されていることなどがあげられます。

・専門リーダー

8つのキャリアアップ研修のうち、その半分の4つの専門分野を修了した保育士が就く保育のスペシャリストのような役職です。主な就任要件は経験年数がおおむね7年以上あること、4つの専門研修を修了していること、専門リーダーの役職が発令されていることなどがあげられます。

・職務別リーダー

キャリアアップ研修のうち、マネジメント研修と保育実践研修を除く6つの専門分野のいずれかを修了した保育士が就くことのできる役職です。主な就任要件は、経験年数が3年以上であること、該当する専門分野の研修を修了していること、修了した分野のリーダーとして発令されていることなどがあげられます。また、職務別リーダーは、専門分野ごとに保育士を就任することができ、1つの専門分野に複数の保育士を置くこともできます。

保育士がなかなか昇格できない理由

それでは、なぜ保育士が昇格しにくいのか、その理由を見ていきましょう。

役職数が少ない

一般的な会社では、主任、係長、課長、次長、部長とさまざまな役職があります。ですが、保育園では園長と主任、施設によってはリーダー職があるという程度で、他の職業と比較すると役職数が少ないです。それにより、昇進・昇格のイメージをしにくくなります。

離職時以外で役職が空きにくい

役職が空きにくい理由は、先ほどあげた役職数が少ないという理由だけでなく、離職時以外で役職が空かないこともあげられます。それには、
①保育園の規模が小さく、職員の数が少ないのでポジションが動きにくい。
②家族経営の園で働いているため、役職に就く人が決まっている。
などの理由があるようです。

昇格に複数年の業務経験が必要

一般的に主任保育士に昇格する経験年数の目安は8年となっていますが、保育士の平均勤続年数は7.7年です。キャリアを積む前に退職してしまうことが大半となっています。

主任保育士になるまでに必要な経験年数が多いこと、必要とされているスキルが多いこと、以前は主任保育士になる前に段階的に昇格していく仕組みが整っていなかったこと、昇進するため役職が少ないことが昇格を妨げている理由として挙げられます。

スキルが必要

各ポジションを目指すためには、経験年数以外にもスキルが必要です。例えば、園長を目指すのであれば、福祉簿記の資格が社会福祉法人の会計業務に役に立つということもあります。普段の業務をこなしながら、昇格に役立つ資格の習得を目指したり、積極的に研修を受けてスキルを磨く必要があります。

保育士のスキル向上のキャリアアップ研修制度

保育士のキャリアアップ研修制度とは

保育士のキャリアアップ研修制度は、保育士のキャリアアップの仕組みを作り上げ、一定の水準でリーダー的保育士を育成するために厚生労働省が制定しました。

研修を受けた保育士は、給与アップを期待することができる上に、一般保育士から主任保育士になるまでの段階的な役職ができたためキャリアパスを描きやすくなります。

研修制度に参加するメリット

①保育士の処遇改善が図れる。
研修を受けて役職に任命されることで、園には国の補助金対象となる役職が増えます。それにより、園は保育士の処遇改善をすることができます。副主任保育士や専門リーダー職は月額4万円、職務別リーダーは月額5000円が加算されます。
ですが、研修を修了した人全員が給与アップを見込めるわけではなく、副主任保育士や専門リーダーは加算対象者の約1/2に4万円以上、専門リーダーに対しては約1/5に5,000円以上を支給することとなっています。それ以外の職員の支給配分に関しては各園に一任されています。

②保育士の専門性を高めることができる。
近年、子育て環境の変化に伴い、園に求められる役割が多様化しています。その中で保育士一人ひとりが保育の質向上を目指し、研修で学んできたことを他の保育士に共有することはとても大切です。

③復職や転職する際に自分の実力の指標となる。
一度研修を修了すれば、勤務している園を退職しても無効になることなく、復職や転職に有利になります。

研修の受講方法

保育士のキャリアアップ研修は各都道府県で指定されている研修実施機関で行われています。希望すれば全員参加できるものではなく、勤務先の保育園が研修参加者を決めることになっているので注意が必要です。

研修実施分野は、乳児保育、幼児教育、障害児保育、食育・アレルギー対応、保険衛生・安全対策、保護者支援・子育て支援、マネジメント、保育実践となっています。いずれの研修時間も15時間です。

保育士の理想とするキャリアパス例

これまでの役職は園長・主任保育士のみの園がほとんどで、若手・中堅保育士には昇格・昇進しにくい環境だったかもしれません。ですが、新たに役職が増えたことで、一般保育士から、職務別リーダー、専門リーダー、副主任保育士、主任保育士、園長とキャリアパスが明確になりました。それぞれの役職に就くためには、経験年数やキャリアアップ研修の修了などが必要になりますが、それは自身の保育の質の向上が図れるだけでなく処遇改善のチャンスにも繋がります。自分が目指す役職を把握して、保育士としてキャリアアップしていきましょう。

転職によってキャリアアップを行う

これまでの内容は、同じ法人や園でキャリアアップしていくことについてでした。他方で、転職活動をすることでのキャリアアップも可能です。

10年ほど保育士をしている方ならばご存知だと思いますが、5-10ほど前から続く保育園の新規開設ラッシュによって、園長主任職の需要が大きく増加しています。そろそろ待機児童も減少傾向にあり、開設ラッシュは落ち着いてきていますが、その当時は20代前半の園長先生も珍しくありませんでした。

そのような過去を踏まえ、現在では外部採用での園長職というのは、園長としての経験がしっかりなければなかなか難しくなっています。一方で、小規模認可保育園や企業主導型保育園など、園児や職員が比較的少ない保育園では、外部採用による園長登用も続いている状況です。

また、園長未経験の保育士が、園長職を強く希望した場合は、まず副主任として入職3-5年かけて園長職を目指すというケースもあります。主には、人材の流動性が比較的高い株式会社運営の保育園において見られるケースです。

このように転職によってキャリアアップを目指すことは可能です。もちろん、役職者として採用面接を受ける場合は、一般保育士よりもしっかり精査されるので「なぜ、役職者を目指すのか?」「役職者の仕事を通じて、何がしたいのか?」「それらのことは、役職者でなければできないのか?」など、第三者が聞いても納得感のある志望動機やキャリアイメージを持っておくことが大切です。

このゆび保育では、これまで次のような方々が、転職を通じてキャリアアップしています。

*担任保育士10年→新規開園の主任保育士

 将来、自分の保育園を設立するために、園長経験を積みたい。しかし一足飛びに園長を目指すよりも、着実にキャリアアップし、一般保育士から園長までの全ての業務を経験することで、どんな人にとっても働きやすい園づくりをしたい。

*担任保育士9年→企業主導型保育園の園長

 新卒から2つの法人を経験してきたが、どこも大変な職場であった。その経験を振り返ったとき「保育者が働きやすくなければ、子どもたちにもよい保育をしていけない」という事に気づき、園長という仕事に強いやりがいを発見した。

このように、園長職を目指す保育士の方々は、何らか明確な動機や目的を持っています。ただし、自分一人でこのようなことを考え整理することは難しいことも多いです。そのようなときに、このゆび保育のような転職サポートを利用し、自己分析や面接対策を行うことも一つの方法です。

ご相談はLINE公式アカウントにて、チャット上でも受け付けています。まずはお気軽にご相談下さいね。

最後に、少しだけ宣伝をお読み下さい

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

このゆび保育では、保育士に特化した転職サポートを行っています。
転職が多い保育業界では、きっと多くの保育士の方が「今度の保育園こそは、落ち着いて保育できますように・・・」と願っていると思います。

しかし、保育士の転職は、独特の事情(スピード勝負・タイミング命・最後は賭け!)であるため、実は転職の難易度が極めて髙い職業でもあります。

そのため保育に完全特化し、転職活動をする保育士の方が「安心して、転職が楽しみに感じられるサポート」を行っています。

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保育士が「安心して転職できる」を考え抜いたサポートです。
見学・面接に同行。あなたに合う園か?を一緒に考えます。
紹介する園は、見学ができる保育園のみです。

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