保育園に看護師を置くことは義務ではないのか

2022年8月2日

近年は認可保育園を中心に看護師を配置する保育園が増えてきました。しかし全ての保育園に看護師が配置されているわけではありません。そこで質問としてよく出てくるのは「どうしてうちの保育園では看護師を配置していないのか」ということ。実はこれは自治体によって求められる対応は様々。今回は保育園の看護師配置の背景を解説していきます。

保育園における看護師の配置は義務ではない

保育士は保健衛生ならびに病児に関してはプロではありません。実際に保育士養成校でも小児看護や保健衛生について授業はありますが、それは各4単位程度です。だからこそ子どもを預ける保護者だけでなく実際に保育園で働く保育士も看護師が保育園に配置されることは望ましいことです。しかし児童福祉法による保育士配置基準は決められていても、看護師の配置は法的に義務付けをされていないというのが、今の日本の状況です。なので看護師が配置されていないことは決して違法ではありません。でも看護師が配置されていた方が望ましいと思う世論が多い中、看護師は全ての保育園に配置されていないのか。これには「自治体」と「予算」と「看護師不足問題」が関係しているのです。

「看護師不足」と自治体による「努力義務」のキーワード

実は児童福祉法とは別に保育園を新規で開園する時には各自治体による独自ルールがあります。例えば「延長保育」と「0歳児保育」と「休日保育」これらは保育園によって内容が様々で、0歳児保育や休日保育を実施していない保育園もあります。これは一般的に開園が新しい保育園に対して自治体が「新規開園するのであればこれらの条件を満たすことが開園の最低条件です」という約束を取り付けていることが多いのです。なので昔からその地域で保育園を展開している所では逆に0歳児保育や休日保育を実施していない所も多いです。その考え方と同じで、東京23区や横浜市などでは新しく保育園を開園する時には小規模を除く認可保育園に対して看護師を配置するように条件付けをすることがあります。しかしこの看護師配置についてはある意味保育士よりもハードルが高い。なぜならば保育士不足同様に今は看護師も不足しているからです。

看護師を配置したくても、肝心の看護師が不足していれば採用するのは難しいです。また看護師も保育のプロではないので、十分な情報を得ておらず働く上で不安なこともあればそもそも保育園で看護師を求められていることすら知らない方もいるくらいです。そしてそんな看護師ですが平均年収の相場は保育士よりも水準は高く、また保育士同様に紹介会社を使うと75万円~140万円程度の採用コストが発生してしまいます。そのことを自治体もわかっているので「義務づけをしたいけれど・・・では努力義務として常に配置できるように行動してください」という扱いにしている所もあるのです。

自治体による「看護師配置加算」のキーワード

では「2」の項目による看護師の年収ならびに採用コストが高いのであれば、保育園側は看護師配置をすることが出来なくて当然と思うかもしれませんが・・・「配置義務」「努力義務」を求めている自治体多くは独自に「看護師配置加算」というものを運営管理費に上乗せしています。具体的な内容で説明をしていくと東京23区の某〇〇区。ここではゼロ歳児保育事業の実施に伴い保健師(看護師)を配置すると自治体から月額512,750円を支給することになっています。仮に看護師の年収を480万円と設定し紹介料を120万円で設定しても保育園的にはプラスの収益。むしろ運営費が追加される状況で職員を1人多く採用出来るわけですから、保育園的には積極的に採用しようと思います。ところがこの看護師配置加算が自治体から支給されなければこの約450~600万円程度の人件費&採用コストは全額保育園側の負担になるわけで、仮に600万円であれば保育士が2人採用することが出来る計算にもなります。もちろん子どもたち、保護者、保育士の安全・安心感を考えれば看護師の配置は望ましいとは言え、やはり自治体の看護師配置加算のような独自加算がなければ、経営面として簡単に動くことは難しいというのは保育業界の現状です。

保育記事作成:このゆび保育 編集委員

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