

保育業界でとても一般的になってきた保育士宿舎借り上げ社宅制度について、横浜市における2025年度(令和7年度)の保育士宿舎借り上げ社宅制度について、大きな変更点が加えられました。
現時点での公開情報をもとに、変更点について解説します。
なお、本コラムは、保育園等の事業者向けではなく、現場で勤務している保育者向けに、わかりやすさを重視し、解説しています。
横浜市の社宅制度は、一人1回までしか使えなくなった!?
2025年4月1日に、全国の自治体に先駆けて、横浜市の保育士宿舎借り上げ社宅制度の概要および申請書等が公開され、公式ページにはこのような記載があります。
「国の事業見直しを受け、本紙でも「1人1回限りの利用」に運用を変更します。」

次に、上図にある別紙「令和7年度 制度変更点「利用は1人1回まで」の詳細について(PDF:376KB)」を開くと、このような記載があります。
「国の制度変更にともない、他自治体での申請を含め、利用は「1人1回」までとなります。」

この内容について、もう少し詳しく解説します。
「1回」ってどういう意味?
前掲の横浜市の資料に記載の通り、2025年度より、横浜市の保育士宿舎借り上げ社宅制度は、1人1回までとなりました。
「1人1回」という定義について、資料を読むとわかりにくいのですが、とてもシンプルに言うと「2025年4月1日時点で、借り上げ社宅制度を使ってるかどうか」です。

なお、特筆すべき注意点は、横浜市ではない他市や区で利用している場合も「1回」にカウントされます。
もし、「1回」にカウントされている方が、その後、借り上げ社宅制度をやめると、少なくとも横浜市においては借り上げ社宅制度を2度と使うことができません。
一部の例外パターンがあります
ごく一部の例外があり、次の2要件をどちらも満たした場合に、借り上げ社宅制度の「2回目」が可能です。
- 産前産後・育児・介護休業で、借り上げ社宅制度が解約になった。
- 休業後に、同じ法人に復職し、借り上げ社宅制度を再開した。

ちなみに、横浜市では、産前産後・育児・介護休業中でも、借り上げ社宅制度は利用継続できるため、このようなケースは少ないかもしれません。
その他、勤めている保育園が他の運営会社に譲渡された場合や、同じ法人内で別の園に異動になった場合も特例として認められるとの記載があります。
それでは、これらを踏まえて、これから転職活動する方は、何を気を付けていけばよいのか解説します。
横浜市以外の自治体も「1人1回ルール」になりそう
今回の資料を、よく読まれた方は、ある一言が引っかかっているかもしれません。
それは「国の制度変更にともない」という一言です。
そのため「借り上げ社宅制度を導入している全ての自治体」が、将来的に横浜市同様になる可能性があります。
横浜市以外の動向
以下に、現時点でわかっている各自治体の動向を記載してます。
各自治体の動向(25年5月30日更新)
1人1回ルールの適用が確認できた自治体
- 横浜市
- 川崎市
- 市川市
これまで通りの自治体
- 東京都23区
※各自治体の動向は、自治体の公式ホームページならびに、このゆび保育が採用支援を行っている保育園様からの情報提供に基づいています。
国の制度変更って、どこに書いてあるの?
国の制度変更について説明している資料は、こども家庭庁が提出している「令和7年度保育関係予算案の概要」です。以下のように記載されています。

なお、この資料は、2024年12月7日に公開されていました。しかし、予算案の前段となる予算要求の「令和7年度 保育関係予算概算要求」(2024年9月3日公開)には「1人1回ルール」については全く記載がありません。

そのため、予算要求を提示した際に、借り上げ社宅制度への指摘や見直し要求があり「1人1回ルール」が加えられたものと考えられます。
参考:保育士の借り上げ社宅制度が、終了するって本当?にて予算要求について詳しく記載しています。
それでは、現場で働く保育者は、今回の大きな変更を踏まえて、どのような点に気を付けて、転職活動をしていくことが大事なのか、考えてみました。
これからの転職活動では、お金のこともよく考えよう
今回の変更に伴い、今後の転職活動はより慎重に行うことが大切になります。
これまでは、借り上げ社宅制度を何回でも利用でき、さらには敷金・礼金・引っ越し費用まで負担してくれる保育法人もありました。
そのため、転職をすることによる金銭的デメリットが小さかったです。
しかし、これからは、一度でも転職すると、借り上げ社宅の補助額である年間約100万円はなくなります。
もちろん、多くの保育者の方は、借り上げ社宅制度のために、日々の保育を頑張っているわけではないと思います。
とはいえ、年間100万円は大きな金額です。借り上げ社宅が始まった2015年度から制度を利用している方は、これまで約900万円の補助を受けていることになります。
ちなみに、このゆび保育に転職相談に来る保育士の方々に「借り上げ社宅で浮いた100万円どうしてるんですか?」とよく聞いています。
多くの方々が「結婚や出産、育児などに備えて、ほとんど貯金しています。」「貯金しつつ、遠距離の国内旅行とかプチ贅沢に使ってます」という慎ましい話が多かったです。

このことから、借り上げ社宅制度の変更は「保育者のライフプラン(≒ 銀行口座の貯金残高)」への影響も大きいと思われます。
つまり、今後の転職活動において、次の2つが大事になると考えています。
- 現在、借り上げ社宅を利用している方は、自身の貯金残高もしっかり考えながら、転職活動を行う
- 初めて、借り上げ社宅制度を利用する方は、浮いた100万円をしっかり貯金しておく
こんなことを書くと、怒られてしまうかもしれませんが、保育者の方々には「自分の年収がいくらか計算したことない」「いまの貯金残高がわからない」という方も珍しくありません。
今後は、借り上げ社宅制度という大きな恩恵がなくなることも考え、自分の年収や貯金残高などをしっかり把握した上で、転職活動をしていくことが重要であると考えています。
しかし、、お金の計算は実は難しいです。
そのため、自分の年収や貯金、生活スタイルを踏まえて、どのような転職をすべきかを、一緒に考えてくれる相手が必要かもしれません。
そんなときは、ぜひ、このゆび保育までご相談ください。
このゆび保育の転職サポート
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
このゆび保育では、保育士に特化した転職サポートを行っています。
転職が多い保育業界では、きっと多くの保育士の方が「今度の保育園こそは、落ち着いて保育できますように・・・」と願っていると思います。
しかし、保育士の転職は、独特の事情(スピード勝負・タイミング命・最後は賭け!)であるため、実は転職の難易度が極めて髙い職業でもあります。
そのため保育に完全特化し、転職活動をする保育士の方が「安心して、転職が楽しみに感じられるサポート」を行っています。

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